「お掃除」は日本が世界に誇る文化だと最近、気がついた。東南アジアの途上国から視察に訪れる人たちもいるほどだ。ポイ捨てが当たり前の社会で、ごみだらけのまちから抜け出す方策のヒントを、日本人のマインドに求めている。

 

11月の週末、誘われて多摩川の河川敷を訪れた。ごみ拾いをする大勢の日本人ボランティアたちの中にインドネシア人の姿があった。日本からお掃除文化を学び、ジャカルタの惨状を改善したいという気持ちで参加したのだという。

 

日本のIT企業に勤めるインドネシアの若者が教えてくれた。母国では、ごみはごみ箱でなく街中や川に捨てるのがごく自然なことだという。お金持ちたちは高級車からバナナの皮やタバコの吸い殻を道路にポイ捨てしているそうだ。

 

エリート層はごみを捨てる人で、貧困層はその掃除でなりわいを得る人、と階級社会の構図も垣間見る。多摩川のごみ拾いに黒塗りの車でやってきた、どう見てもエリートの40代のインドネシア人は「まちをきれいにするためには市民の意識を変える教育が大切」と力説していた。

 

日本の国際協力機関が、ジャカルタ美化に向けて2年前から、日本のお掃除文化視察のための助成を行い、インドネシアから多摩川への視察が実現できたそうだ。これをきっかけに市民レベルのお掃除文化交流が始まったのだという。

 

東南アジアやインドのスラムを訪れたときのごみの中で暮らすしかない貧しい人たちの姿を思い出した。

 

「部屋を片付けなさい」と最初は母親、その後は家人に散々言われながら生きてきた。お掃除マインドは東南アジアの人たちの参考にまったくならないほど低いと自負している。多摩川に学びに訪れた人たちから学ばなくてはなるまい。