エベレストの登山でよく耳にする言葉に「シェルパ」がある。

シェルパとは、ネパールの少数民族・シェルパ族のことである。

決して職業の呼称ではない。

 

その昔チベットからヒマラヤ山脈を越えて移住してきたシェルパ族は、

寒冷な山では農業も難しく、登山者を助けることで生計を立てていた。

いまでは彼ら無くしてヒマラヤ登山は成立しないと言われるほど重要な存在である。

 

ポカラからトレッキングで山を歩いていると一人の女性が下りてきた。

大きな荷物袋のロープを頭から背中にかけて背負っていた。

典型的なシェルパ族の荷物の持ち方だ。

 

すれ違いざまに袋の中身をみると大量の土が入っていた。

「こんなに多くの土を人の力で運ぶのか?」と驚いてしまった。

 

1990年代初めの頃、ネパールでは山道があまり舗装されてなく、ダンプカーが入れないため、土砂はすべて人が運ぶ。その仕事をシェルパ族の女性や子供たちが担っていた。

山道を知り尽くしたシェルパ族ならではである。