普段、何げなく気になっていたことを、知り合いのIT記者にぶつけてみた。

以下はそのやりとりである。

 

まずはこちら。

 

取材したが、記事化できなかったケースはあるか。

 

「ある。2つのパターンがある。一つは、あまりにも早い段階で取材をしてしまい、その時点でのストーリーと、実際に原稿を書く段になってのストーリーが大きく食い違うもの。取材相手に非はなく、悪いのはすべてこちら側(記者)にある。謝罪するのみです」。

 

もう一つのパターンとは。

 

「すべて理解し、執筆する内容も決まっているにも関わらず、最後の取材先で、細かいことだけを聞かざるを得ず、誌面に反映できてないパターン」。

このケースもやはりミスは、記者にある。同氏も過去に失敗した経験があるという。

 

続いて、寄稿の条件とは。

 

「テーマについて詳しくかつ、文章が書けること。所属する企業の知名度はまったく関係ない」。が、意外と、文を書ける人が少ないらしい。

 

「テーマはよく熟知しているが、文章が上手くないと、本人(書き手)のもっている知識が全然、伝えきれない。ブログはおもしろいが、かしこまった原稿を書くと、つまらなくなるケースもある」。

 

広報担当から打診されるときもあれば、本人が直接、持ち込むこともある。

 

曰く「本人の持ち込みはけっこう、ハズレる」と。

 

次はプレスリリース。

 

「日々のニュースを取り上げないITの専門メディアにもやはり、プレスリリースは配信したほうがいいのか」と、以前、クライアントの広報担当者から相談されたことがある。理由を説明したが、本人はいまひとつしっくりしていなかった。“掲載”の二文字が頭にあり、目の前の結果に執着している様子が見てとれた。

 

同氏に彼女の疑問をぶつけてみた。

 

「メディアにもよるが、ハウツー色の強いメディアは、プレスリリースを記事化することは少ない。でも、送ったほうがいい」。

 

私見と断りながら、こう説明する

 

「私が知りたいのは、プレスリリースを通じて、どの企業が、いつ、何を発表したかである。編集企画を立てる際に思い出すことがある。個人的には、プレスリリースをまめにチェックはしないが、印象に残ったタイトルは記憶している。本当に必要な場合は、メーラーでキーワード検索をする」。

 

さらに続ける。

 

「まったく時事性のない特集記事を書きあげる際には、プレスリリースは参考にしない。いっぽう、マイナンバーのような時事性の高い、いまをフォーカスする場合はプレスリリースが役立つ。取材先や取材内容を検討するのに非常に助かる」。

 

最後にこう言っていた。

 

「広報担当者はできるだけ、メディアと接する機会をもったほうがいいですよ」と。