ブログ、ツイッタ―、ユーチューブ、フェイスブックさらに、キュレーションメディアなど、いつでも、どこでも、一瞬にして世界中の情報が入手できる。最も影響を受けたのが新聞、テレビ、雑誌をはじめとした、既存のメディアである。

現役の記者は、これらのメディアをどう見ているのか。これまで、折に触れて聞いた雑感を紹介する。

 

キャリア18年のIT記者

「脅威が2割。くだらないが2割。残り6割が役に立つ。役立つのは、自分自身の情報源になり、

執筆した記事を広めてくれるときもあるから。商売敵の側面もあるが、仕方ない。ネットは情報の広がる速さが紙媒体とは比較にならない。この状況は誰にも止められない」。

 

記者歴10年の30代男性

「速報性という意味ではツイッタ―の方が早いが、競うことはない。報道機関としてのメディアは、

裏付けによる取材を重ね、記事としてきちんとした情報を提供すればいい。キュレーションメディアとは

協業・共存の面もあると思う。読者を取られたような印象をもつ記者もいるようだが、それは違う。

取り上げられることで、自分の書いた記事が世の中に広まるのだから、嬉しい限りである」。

 

・ビジネスメディアの編集長

「報道機関ではないので、脅威でもなんでもない。ただ、情報を無料にしてしまった反動は大きい。

メディアに身を置く者としては、情報はコストがかかるという認識の世の中であってほしい。しかし、

情報はタダというこの流れはもう、止められないだろう」。

 

・二児をもつ30代後半の女性記者

「自分の書いた記事がキュレーションメディアで紹介されるのは、広く知れ渡るので、有り難い。確かに、ただ乗り的な印象はあるが仕方ない」。

 

・IT・製造業界担当8年の記者

「脅威ではない。既存メディアが自らのあり方を問われているだけ。情報源は、突き詰めれば既存のメディアからのもので、情報源の信頼性がすべてではないか」。

 

・紙メディアに10年、オンラインメディアで10年の記者

「キュレーションメディアはニュースの量販店だと思う。さまざまな情報があるプラットフォームといったところですね。僕らは一次メディアとして、取材をして記事を書く。そこが強みというか、大きな違いではないか」。