企業が自社でブログを運営する、いわゆるオウンドメディアの数が増えている。運営がかなり大変なので、数ヶ月でやめてしまう会社も多いのだが、それでも中には立派に運営をしている会社もある。

一方で、旧来のマスメディアを利用しようという会社もまた数多くある。

 

しかし、オウンドメディアと、マスメディアとのちがいとは一体なんだろうか。広告との差異は一体何なのだろうか。

 

一言で言えば、オウンドメディアとマスメディアの違いは、「誰が書いているか」に尽きる。

もちろんリーチできる人の数にちがいはあるのかもしれないが、それは本質的な差異ではなく、オウンドメディアも大きくなればマスメディアと同程度の人にリーチ可能だ。

そうではなく、オウンドメディアは、一次情報、マスメディアは二次情報ということが、決定的なちがいである。オウンドメディアは、企業の中の人物が直接書く。当事者が書く。マスメディアは、記者が取材をして書く。他人が書く。

これが大きなちがいである。

 

だから、自ずと運営の方法が異なる。

マスメディアの記事は、基本的には中立、客観的に書かれる。そうでなければ、広告としてみなされる。だから、できるだけ公平、中立な情報をどうやって記者に取り上げてもらうか、世の中の人にどのように役に立つかが鍵になる。

だが、オウンドメディアは中立ではない。それどころか全てが広告と言ってもよい。

だが、オウンドメディアが広告的なことをすれば、そこに読者はいつかない。オウンドメディアは「どう楽しんでもらうか」「うちのことをどうやって好きになってもらうか」に焦点が当たる。

 

 

オウンドメディアは、マスメディアの記事と違い、好きなことを書くことができる。が、それはより読者に対してシビアに向き合うことを要求される、高度な活動だ。

なにせ、自分たちを自分たちで制約しなければならないのだから。